『どろろ』に影響を受けた作品を紹介していきたいと思います。
第一回は、
「ナイト・ヘッド」 -それは、人間が使用していないとされている脳の容量である70パーセントの部分を指す言葉である。人間が持つ不思議な「力」は、この70パーセントの部分に秘められていると言われる。
というナレーションで始まる、SF特撮ドラマ。
1992年10月8日~ フジテレビ系深夜枠で放映されました。
山奥のある研究所に隔離されていた霧原兄弟が研究所を脱出する場面から物語は始まり、ストーリーは主人公の超能力者、霧原兄弟を中心に動いていき、彼らの持つ超能力が、外の世界では「負のエネルギー」を引き寄せ、その結果、次々と二人を過酷な運命が襲うことになります。
二人を導くように現れる「謎の少女」、「変革」「ミサキ」とは……
当時、既に流行らないと言われていた超能力もので、深夜枠にもかかわらず大ヒットとなった作品です。映画も製作されカルトな人気を博しました。
飯田譲治監督のインタビュー記事に、
《 …この間、手塚作品の時代劇『どろろ』を読み返したんです。これは僕が子供の頃、こんな発想をする人がいるのか!と、凄いショックを受けてゾッとした作品で、妖怪に盗られた自分の身体四十八ケ所の部分を取り返す男の話なんです。 ( 中 略 ) ハンデを持った二人が疎外されながら乱れた世の中を旅する。この作品に影響されたものはあるのかな、と考えた時、それが「NIGHT HEAD」につながったのかもしれないと思いました 》
と、直接的な影響は無くとも「残酷な世の中を二人が彷徨う」という設定が二作品に通底していることは確かな様です。
しかし、
この後、時を経て、あの彼が「みんなで筋肉体操」のお兄さんになろうとは、
世の中、一寸先は分からないものでございます。