『どろろ』を巡る冒険或いは私的備忘録

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どろろのあゆみ【1】補足・当時の記事から

 

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 昭和43年8月13日の東京中日新聞に掲載された記事、
どろろ』が「子供向け、陽気な妖怪もの」として紹介されています。
 記事内では、絵の左が主人公と紹介されており、
 虫プロの企画書でも、
・誰もの興味をひく「奇怪な物語」
「手」もなく「足」もなく「耳」「口」「目」「鼻」など身体の48ケ所がなく、人間とは言い難い主人公が、造りものの身体で、自分の分身とも言える48匹の妖怪と闘って、身体を 取り戻すという奇々怪々な物語は、その「異様さ」と「奇怪さ」とで総ての人の心を魅了せずにはおきません。
と、はっきり「百鬼丸」が主人公であると記載されていまして …
(「どろろ」も主人公です … よね ?)
 他にも、新聞の紙面に《 どろろは四十八カ所が片輪で生まれた男の子が … 》と差別用語を含む内容が掲載され、現在より規制が緩かった事など、いろいろと当時の様子が伺えます。
 また、朝日新聞 ( 朝 刊 )・昭和44年4月8日のテレビ欄には、
『奇妙な魅力のマンガ「どろろ」』
「水責めのシーンはベトナムを思わせるし、餓えはインドやアフリカの飢饉に取材しているのがわかる」
「腐った死体にハエがむらがるところや、死霊にしめつけられた悪者がみるまに白骨と化すシーンなどの残酷さはPTAの支持は得まいが、作品の魅力は軽視できない。話題作になりそうだ」
と『どろろ』が新番組として紹介されており、実際に取材したかどうかはさておき、当時の世相を想起させる内容で、旧アニメ『どろろ』が放送時より話題を集めていた事が伺えます。