『どろろ』を巡る冒険或いは私的備忘録

「どろろ」を中心に「手塚作品」の記事を掲載。カテゴリーは【書籍・舞台・表現規制・どろろのあゆみ・どろろに影響を受けた作品・「神話の法則の三幕構成」で解析する「どろろ」・ブラック・ジャック、ロボトミー抗議事件・ジャングル大帝、黒人差別抗議事件】

「どろろ」に影響を受けた作品 第二回 魍魎戦記MADARAシリーズ

f:id:moke3:20200521091323p:plain

 【 魍魎戦記MADARAシリーズ 】
 1989年8月30日:角川書店発行 著者:田島昭宇大塚英志

 光と闇の宿業を背負って生まれた2人の少年、摩陀羅( マダラ )と影王( カゲオウ )を軸に展開する転生譚。
 主人公マダラが強大な力を持って生まれた為、父である金剛国帝王ミロクは八匹の魍鬼にマダラの身体を分け与え、マダラを川に流す。
 マダラを乗せた蓮の花はニソの杜にたどり着き、マダラは失った身体をギミック ( 錬金術で造られた義肢 ) で補い、優れた錬金術師であるタタラに育てられる。
 マダラが15歳の誕生日、村に金剛国侵攻隊が攻め込み戦闘となり、マダラのバトルギミックが発動、マダラは戦士として覚醒する。自身の身体を取り戻し、ミロク帝を倒して人々を理想郷アガルタに導くために戦士マダラの旅は始まる。

 

『魍魎戦記MADARA』は 1987年 ~「マル勝ファミコン」で連載開始。連載当初からゲーム化を目的としており、その後、漫画・小説・コンピュータ RPGOVA・ラジオドラマ -と、多くのシリーズが展開されました。

『魍魎戦記MADARA』には、時空を超えて転生した魔王を追いかける為に主人公が108回転生する …  という設定があり、
 この設定により派生した膨大なシリーズを補完するために、同人作品も転生譚の一つと捉えて、優秀な同人作家にも積極的に声をかけ、作品を描いてもらうという斬新かつ危険な企画が採られました。この大塚氏の目論見と企画は成功し、多くの派生作品も含め『魍魎戦記MADARA』はヒット作となりました。
 今ではイベントでの作家スカウトはそれほど珍しくありませんが、当時は画期的な企画で、同人界も巻き込んでのメディアミックスはこの『魍魎戦記MADARA』が始まりと言って良いと思います。

《 ぼくがまんが原作を初めて手がけた「魍魎戦記MADARA」の主人公、マダラが手塚治虫先生の「どろろ」の主人公・百鬼丸の「盗作」であることは『物語の体操』の中で告白しましたが、それ以外の『マダラ』の登場人物も実は元ネタがあります。例えば身体の半分を引き裂かれてそこに人工身体を埋め込まれたカオスのアイデアは『鉄腕アトム』のあるエピソードが元になっています。ウランちゃんが悪者に真っ二つにされ、そっくりの半身をくっつけられて二人になっちゃったというエピソードが実はカオスというキャラクターの元なのです 》
と【 キャラクター小説の作り方 】のなかで大塚氏が語ったように、この『魍魎戦記MADARA』の骨子は『どろろ』から流用されたものです。

 

 

 でも、大塚先生、未完な所まで似せなくても良かったのでは、
 108回の転生と言うのが多過ぎたのではないかと思うのですけれども、

 

 

 

それと、Nさん、
貴方の『MADARA』のデータ吹っ飛ばして … ごめんなさい。
笑って許して頂けましたが、
私は、今も時々思い出して胃のあたりがきうきうします。