1991年のバブル崩壊後、株価・不動産価格の下落により金融機関に多額の不良債権が発生。これにより、過剰な企業融資の見直しが行われ、金融機関の「貸し渋り・貸し剥がし」と言われる行為が横行、企業の大量倒産を招く結果となりました。
この負のスパイラルは「失われた10年」と言われる長期の不況を招き、金融機関自体の倒産も相次ぐ結果となりました。この影響により、団塊ジュニアと呼ばれる層は「就職氷河期」を迎え、多くの派遣労働者やニートが発生、この問題は長く尾を引いて今も日本の課題となっています。
これら経済の冷え込みに加えて、
1995年に「阪神淡路大震災」発生。同年に「オウム真理教」による一連のテロ事件勃発。不況と重なって社会不安の強い年代でした。
また、1997年「神戸児童連続殺傷事件」発生、1990年代後半は未成年による凶悪事件が多く、これにより少年法は厳罰化へ向かいます。( これらの事件時に創作物の影響がメディアで語られる事は相変わらずでしたが、この時期以降はコミックも含めて、ゲーム・映像作品もやり玉に挙げられる事が増加した様に思います )
そのような社会情勢を背景に、
アニメでは1995年に『新世紀エヴァンゲリオン』が放送開始。社会現象ともいえるヒット作となり、同年11月公開された『攻殻機動隊-GHOST IN THE SHELL-』は米国ビルボード週間売り上げ1位を記録 ( 1996年8月24日付 ) する等、国際的に日本のアニメーションが評価を高めた年代でした。
また、1995年には「Windows95」がMicrosoftからリリースされ人気を博し、一般家庭にパソコンが普及される原動力になりました。この時期よりインターネットも浸透し、1999年には「2ちゃんねる」が登場しています。
1990年代に入ってからも、
手塚作品の再発見・再評価は続いており、サブカル誌での手塚作品紹介は増えていました。( 1980年代後半のバブル時代にはサブカル誌だけでなくマンガ誌も多く創刊され、その影響は1990年代に入っても続いていました。私はバブルの恩恵を全く受けない場所にいましたが当時を振り返ると、1991年以降もバブルの残り香のような物はあって、経済は徐々にやせ細るように衰退していった印象です。そして1990年代も後半 ~ 2000年代前半になると廃刊・出版社の倒産が相次ぎ、後年「あの本買っとけば良かったあぁぁ…」と呻くことになるのです … )
これは 【 i-D japan:1992年・12月号 特集:サイボーグになりたい 】
『どろろ』の紹介記事
なぜ「エマニュエルさん」の隣なのか …
「どろろのあゆみ⑥」で紹介した、
「ぶーけ」で『イティハーサ』連載時に水樹和佳子先生のアシスタントをされていた漫画家さんが「幼稚園の頃、水筒が “ どろろ ” で女の子っぽくなくって、恥ずかしかった」みたいなエピソードを紹介、「ぶーけ」に記事として掲載されていました。
の元記事が出てきたので掲載。
「ぶーけ」本誌は処分してしまったのですが、これだけスクラップしていたようです、
九月乃梨子先生の《 “ どろろ ” というアニメがもう一度見たいのでビデオが出ていたら教えて下さい 》という、告知板だったのですね、
旧アニメの映像は幼児期にはトラウマものだったのでは … と、思うのですが
1990年代には、旧アニメ『どろろ』を幼少期に視聴していたテレビマンガ世代が20歳後半 ~ 30歳代に成っていた頃で、
九月先生の様に、大人になり改めて『旧アニメ・どろろ』を観たいと思った方は多数いらっしゃった様子です。
次回は1994年の池袋上映の様子を纏めたいと思います。