2004年9月9日にSEGAからPlayStation2用ソフト『どろろ -Dororo-』発売
ジャンルはアクションアドベンチャー
CERO:15歳以上
企画・シナリオ・設定はレッド・エンタテインメント
キャラクターデザイン:沙村広明
魔人・妖怪デザイン:前田真宏
題字・美術設定:雨宮慶太
【 あらすじ 】
戦乱の世を陰で操るのは人の負の心を糧とする “ 魔神 ” 達だった。
人々を救済するため天の神は “ 光の子 ” を誕生させようとするが、それを察知した魔神たちはその父である醍醐景光を誑かし、生まれてくる子供の身体四十八ケ所を捧げよと詰め寄る、景光の子は無事に生を授かるが、その身体は魔神に奪われ四十八ケ所を欠いていた。慟哭する景光であったが、意を決すると我が子抱えて川へと向かう。
川に流された赤ん坊は薬草を採取していた医師・寿海に拾われ治療を受け成長。
赤ん坊が三歳になった時、寿海は精巧な義手・義足など体を与える手術を行う。
訓練の末、自由に動けるようになったその子供は「百鬼丸」と名付けられ成長する。
しかし、百鬼丸が成長するにつれて寿海屋敷では奇怪な出来事が増え、怪異が出現するようになった。そして、十八歳になったある日、百鬼丸は出生の秘密を不思議な声から告げられる。「 … 体を奪った魔神を倒すか、奪った体で造られた「人間」を探し出して倒せば身体を取り戻すことが出来る」
こうして、魔神を倒すことを決意し、百鬼丸は旅を始める。
ストーリーは原作を下敷きに展開、後半は原作「冒険王版」の設定を翻案したオリジナルのストーリーとなっており結末まで描かれます。
ゲームのパッケージには、
“ 己の憎しみと、虐げられた人々の哀しみを、刃に込めて叩っ斬る … 四十八の魔神をすべて倒すまで、宿命の旅は終わらない。手塚治虫が描かなかった結末を、オリジナルストーリーで完結! ”
と、あり
キャッチコピーは、
“ 俺を返せ!”
この二つがゲームコンセプトの様です。
以下、若干のネタバレもございますので、未プレイの方はご注意ください。
好みもあるかと思いますが、良リメイク作品でアクションゲームとしても良ゲーですので、中古屋さんで見かけたら是非。
( R15ですが、怖くもエロくも無いです、血糊は消せたような…?)
最後にコメント欄にラスボス攻略方法を載せておきます。
四十八体の魔物・妖怪はゲーム内では「魔神」で統一され、オリジナルの魔物も含めてすべての魔神と戦い、身体を取り戻すことが出来るようになっています。原作から名前や設定が変更されている魔神もあり、原作の「無情岬」に相当するストーリーは無いので、本作では「二郎丸・三郎丸・しらぬい」は登場しません。
「マイマイオンバ」は隠し魔神で登場、制作陣はストーリー内に入れたかったそうですが諸般の事情で入れることが出来なかった模様。
オリジナルストーリーでは「賽の目の三郎太」が重要なキャラクターとして登場。
基本的に「どろろ」がCPUとして追従、戦闘時には自動で攻撃したりアイテムを収集してくれます。2Pプレイでは「どろろ」を操作できます。
重い設定や描写を排除し「百鬼丸」を主人公としたヒーローズジャーニーをゲームとして上手く成立させています。その為、「火袋」「お自夜」「イタチ」は登場せず、「縫の方」はオープニングに映像があるのみとなりました。「寿海」はチュートリアルで登場。
また「百鬼丸」の身体・武器は大きく変更され、脚部の「焼水」鼻の「雷玉」は無くなり「上腕火砲・脚部大筒」が義手・義足に仕込まれ、戦闘能力は高くなりました。
( 序盤ではダッシュが出来ず、ダウン、ピヨりの時間も長いのでもっさり感がありますが、身体を取り戻すと解消されます )
四十八ケ所の部位を取り戻すという原作の設定を生かして、
目を取り戻すと画面がモノクロからカラーに、感覚を取り戻すとコントローラーが振動するようになる、足を取り戻すとダッシュが可能になる等、原作設定のゲームデザインへの落とし込みが上手く、原作へのリスペクトが感じられます。
「隠し魔人」を残してエンディングを迎えると、残りの魔人の数が表示され、百鬼丸とどろろは再び旅に出ます。この時のエンドロールは旧アニメを意識したもので、どろろが可愛いので、真エンディングに行く前に魔神を残して終了することをお勧めします。
( 最終章に進むには、四十八番目の魔神以外をすべて倒しておくことが条件です )
最終章をクリアするとミニゲーム「どろろの宝探し」が追加され、宝探しをクリアすると設定画や映像が閲覧できるようになります。
予約特典に冒険王版の漫画小冊子が付属、
直販のセガダイレクトでは冊子以外に、金小僧のストラップ、どろろトランプが付属しました。
攻略本は二冊出されており、
「どろろ-魔神討伐極意之書-」ソフトバンククリエイティブ刊行
第五章の途中までの攻略方法を収録、イラスト・設定画を収録。
「どろろ完全攻略ガイド」講談社刊行
最終章までの攻略方法を収録。マップ・妖怪データ・武器データなど情報は詳細。
ゲーム発売の発表がされた2003年秋の東京ゲームショウではノベルティの「どろろ団扇」ビニール製の「百鬼丸の仕込み刀」が配布され、2004年の夏コミの時期には東京駅で「どろろ団扇」と体験版が配布されました。
北米版もリリースされ妖怪はビーストと英訳されています。
劇団扉座「新浄瑠璃・百鬼丸」(2004)平成16年6月16日~ 新宿・紀伊国屋ホールで公演時に、ロビーでSEGAのPS2版ゲーム『どろろ -Dororo- 』のデモ映像が流されました。
1990年代後半 ( 特に “ 神戸児童殺傷事件 ” 以降 ) から青少年の犯罪と「ゲーム」を絡めて語られることが増加し2000年代に入ると「ゲーム脳」「ゲームは子供たちの脳に悪影響」と言われ、「ゲーム業界」にも逆風が吹いていた時期だったと思うのですが、
手塚作品の評価上昇、
『どろろ』が各世代に安定した人気を維持していること、
『どろろ』の海外での評価が高いこと、
などが、ゲーム企画に結び付いた理由でしょうか。
当時、TVで「俺を返せ!」と毎日CMで「百鬼丸」の映像が流れ、時代は変わったんだなぁ… と、しみじみしたことが昨日の様です。( 寄る年波感 )
この『どろろ -Dororo-』PS2版発売で、
多くのファンに支えられながらも手塚作品の「裏玄関」的扱いであった『どろろ』が「表玄関」になった印象は有ります。
運動神経も反射神経も搭載されていない私の「アクションアドベンチャー・どろろ」クリアまでの道のりは険しいものでしたが、王道展開の『どろろ』ストーリーは楽しく、時間が経つのを忘れてやりこんでいました。ゲームセンスが皆無なのでクリアまで苦労したのですが、 一番腹立たしかったのは “ 魚柱 ” にひれでしばかれてダウンしたときでした… 「魚に、スイスイ滑ってる魚に、ひれで …」って、次点は猫にじゃれつかれて、引っ掛かれてダウン、でしょうか …
ダウンするアニキを見て茫然とするのも一興ですので、皆様もぜひ!