『どろろ梵』
「ヤングチャンピオン」にて2007年12号から2009年5号まで、全38話連載された。
原作で “ どろろ ” と “ 百鬼丸 ” が別かれてから5年後。 一人、妖怪を探して旅を続ける百鬼丸は、とある橋の上で女の妖怪と出会う。妖怪を倒そうと戦う百鬼丸であったが、その妖怪は “ どろろ ” だった。驚いた百鬼丸は不意をつかれどろろに倒される。「オレはいつか必ずおまえを殺しにいく」と言い残し絶命した百鬼丸は500年後の現代日本に女性として転生。まだ欠損している身体をとりもどすため、妖怪となった “ どろろ ” を殺すため、百鬼丸の旅は続く。
この作品の妖怪は「怨み」によって存在でき、「怨み」を晴らし浄化されると寿命が尽きる。四十八体の魔物は残り三体 ( 枕返し・赤目・鎌鼬 ) を残して退治されており、残り三体の妖怪が現代でも百鬼丸の右目・右腕・左足を持っているため、この三箇所は欠損したまま、
オリジナル要素の強いリメイク作品
『どろろとえん魔くん』
日本文芸社・ニチブンコミックス:全2巻 永井豪&ダイナミックプロ
「週刊漫画ゴラク」2012年11月16日号に読み切りで掲載された後、2013年2月22日号から連載となる。永井豪先生の「ドロロンえん魔くん」とコラボしたリメイク作品。
『どろろ』本作の数年後、美しく成長した “ どろろ ” が主人公。出会った時に自分だと分かる様に百鬼丸と似た格好 ( 男装 ) で百鬼丸を探す旅をする “ どろろ ” は偶然出会った “ えん魔くん・シャッポじい ” と一緒に妖怪退治の旅をすることになり、三人の珍道中が展開する。妖怪に追い詰められ“どろろ ” 危機一髪に “ えん魔くん ” が駆け付けて… が基本パターンで、登場する妖怪が下ネタがらみでお色気テイストが強いのはGO先生なのでお約束、最終回では “ 百鬼丸 ” も登場。
永井豪先生は手塚先生のテイストを残すのは難しいと考えて自身の作風に寄せた。また、百鬼丸登場以降も描きたかった。と後に語っています。
《 戦国の世の無常と少年少女の成長を描く戦国バトルアクション 》
『進撃の巨人』スピンオフも手掛ける士貴智志先生による『どろろ』リメイク
リメイク連載の切っ掛けは “ チャンピオンRED ” 新連載開始の打ち合わせで士貴智志先生と担当編集者が好きな作品を挙げていく中、共通して挙がった作品が『どろろ』で、その後『どろろ』をやりたいと士貴先生が提案して決定。と、連載までの経緯を【 虫ん坊・『どろろと百鬼丸伝』連載スタート、士貴智志さんインタビュー 】で士貴先生が語っています。また、現代の読者に対して読みやすい形での落とし込みに気を配りつつ、ストーリー・設定、キャラクターの核は踏襲。現代的なアレンジでスタイリッシュな作品となっています。
チャンピオンREDで2018年12月号より連載、現在 ( 2020:9月 ) も連載中
『サーチアンドデストロイ』
手塚治虫生誕90周年記念書籍『テヅコミ』で連載された。
“ これは怒りの物語 ” 内戦後、兵士や労働力として大量生産されたクリーチャーは人と共存していたが、それは人との軋轢を招き、クリーチャーは虐げられていた。ある夜盗みを働き、クリーチャーに捕らえられた孤児 “ ドロ ” の前に、人ともクリーチャーともつかない機械の四肢を持つ少女が現れた、少女はクリーチャーに戦いを挑む。身体48箇所をクリーチャーたちに奪われ全身機械の少女「百」は孤児「ドロ」と奪われた身体を取り戻す戦いを始める。
大戦後のディストピア世界を舞台に展開する “ サイバーパンク近未来SF ”
この様な作品をみると『どろろ』の持つテーマは “ サイバーパンク ” と親和性が高いと思いますね、おすすめです。
手塚治虫文化賞20周年記念MOOK『マンガのDNA』
朝日新聞社主催の【 手塚治虫文化賞 】20周年を記念し制作されたムック。
『キングダム』の原泰久、『ヒストリエ』の岩明均、『舞姫 テレプシコーラ』の山岸涼子、丸尾末広、中村光、ヤマザキマリ、村上もとか、松本大洋、石川雅之など、総勢24名の描き下ろしマンガを掲載。山岸涼子×よしながふみ対談。スタジオジブリプロデューサー・鈴木敏夫らが「手塚治虫」との思い出を話したインタビュー記事を収録。
『百鬼丸妖魅考』丸尾末広先生の 学ラン“ 百鬼丸 ” と “ どろろ ”
『どろろ Re:Verse』
「どろろ」を現代ファンタジー・フルカラー縦スクロール漫画としてリメイク。
2022年12月より日本では『ピッコマ』、韓国では『kakaopage』で日韓同時に配信開始された。韓国スタジオ・テラピン制作で、脚本・絵コンテはイ・ドギョン氏、絵はBean氏が担当。北米、中国、ヨーロッパの主要書店でも順次展開される予定。
≪ 戦国時代に生まれ、妖怪に肉体を奪われた「百鬼丸」。己の肉体の欠片を持っている妖怪を狩りながら、少しずつ体を取り戻していき、現代まで生き残るが…⁉ 都市の闇の中、妖怪を狩りながら生きてきた百鬼丸の前に、突然一人の少女が現れる。妖怪でもないのに、百鬼丸の欠片の一部を持っている少女「ロロ」。百鬼丸はロロとの契約により、残りの妖怪たちを追って最後の狩りに向かう。今度こそ完全なる人間になるために── ≫
ピッコマより
コミック以外にも映画・舞台・小説・アニメ・ゲーム・二次創作 … と、多くのリメイクがありますが
『どろろ』リメイク作品のコンセプトをおおざっぱに分けると、
- 原作で二人が別れたその後を描く
- 原作に新たな解釈を加えリブート
の2つになるでしょうか、
①は「再会した2人が幸せになった」ストーリーが二次創作には多く、これは辛い時代を生きていた二人に幸せになってもらいたいという “ ファンの祈り ( 願 望 ) ” でしょうか、その流れで分けると “ 現代パロディ ” もこのカテゴリーですね。
②公式リメイクは大体これに該当します、解釈違いやテーマの改変も含めてリメイク時には賛否両論有る様ですが『どろろ』という作品の一般認知・新しいファンの獲得という側面も有り… 多くの創作者が「どろろを描いてみたい」と声を上げて居られるので、今後もリメイク企画は有りそうです。
『どろろ』という名作は、この後もリメイクされ読み継がれて行くのでしょうね。