『どろろ』を巡る冒険或いは私的備忘録

「どろろ」を中心に「手塚作品」の記事を掲載。カテゴリーは【書籍・舞台・表現規制・どろろのあゆみ・どろろに影響を受けた作品・「神話の法則の三幕構成」で解析する「どろろ」・ブラック・ジャック、ロボトミー抗議事件・ジャングル大帝、黒人差別抗議事件】

どろろのあゆみ【16】2007年1月27日『どろろ』映画公開

 映画版『どろろ』2007年1月27日公開

 キャッチコピーは「運命をぶった斬れ」「物語が動き出す」「必死に生きて何が悪い」「アジア発、世界へ -テーマは、“ 正義 ”  “ 勇気 ” そして、“ 希望 ”」「運命を超える旅へ」

f:id:moke3:20200718104216j:plain

 

製作:『どろろ』製作委員会
製作プロダクション:ツインズジャパン
配給:東宝 世界24ケ国で配給。
第七回日本映画テレビ技術協会映像技術賞でVFX・劇映画部門を受賞。
制作費20億円、最終的な興行収入は34憶5000万円。
 当初見込まれていた予算より大幅に制作費が超過した理由は、大規模なオープンセット、海外ロケ、現地への機材持ち込みが多く ( 着ぐるみなど、かさ張るものが多かった ) 検疫を含め手間と時間がかかった等、諸般の事情が重なった為と言われています。

 原作と違い、架空の異世界・時代設定を舞台に “ 百鬼丸 ” 中心にストーリーは展開。

【 あらすじ 】

 はるか古か遠い未来かさだかでない時代、東の果てにあるその国では、数十年間の長きにわたって戦が続き国土は荒廃していた。乱世の覇者となるべく魔物と契約をかわした “ 醍醐景光 ” 、父の野望のために身体四十八箇所を奪われた “ 悲運の子・百鬼丸
 己の身体を取り戻すために旅に出た彼は、戦で天涯孤独となった野盗 “ どろろ ” と宿命的な出会いを果たす。戦の業を否応無く背負わされた二人が、未来を掴むために戦乱の荒野を駆け抜ける。

  ロケをニュ―ジーランド・千葉で行い、CG・特殊メイク・アニマトロクスを多用、幻想的な映像が作られました。CGアニメーションでは『ロードオブザリング』シリーズで開発された群衆アニメーション制作プログラムを使用。
 プロデューサーは平野隆氏、監督は『黄泉がえり』の塩田明彦監督、
『映画・どろろ』は当初、三部作で企画されており脚本も三作目まで完成していたそうですが、主演の二人の破局もあり、キャストスケジュール調整も含め諸問題も多く、続編制作は厳しそうです。
 ワイヤーアクションを『少林サッカー』のチン・シウトン氏が監修
( “ 醍醐景光 ” 役の中井貴一氏は舞台『陽だまりの樹』1992・1995・1998年で “ 手塚良庵 ” を演じた。舞台『陽だまりの樹』脚本は『新浄瑠璃百鬼丸』の横内謙介氏 )


 

f:id:moke3:20200718104745j:plain

どろろ:ナビゲートDVD -序章-』 2006年12月22日発売
ユニバーサルピクチャーズ・ジャパン 
映画公開前に販売されたナビゲートDVD・1枚組
メイキング、トレーラーなど収録

 

f:id:moke3:20200718111210j:plain

どろろコレクターズ・エディション -初回限定盤-』 2007年7月13日発売
ユニバーサルピクチャーズ・ジャパン
特製アウターケース、ブックレット、特典ディスク3枚 ( 合計4枚組 )、手塚治虫マガジンミニコミック版『どろろ』 プレスシート縮小版 ( カラー16P )
特典ディスクは劇場未公開シーン、メイキングドキュメンタリー、フォトサウンドストーリー、プロモーション全記録、公開直前番組完全版、試写会映像、シークレット映像も収録。( 特典ミニコミックはセガトイズから発行されたミニコミックと表紙違いの同じもの )

 

f:id:moke3:20200718125337j:plain

どろろ -通常版-』 2007年7月13日発売
ユニバーサルピクチャーズ・ジャパン
1枚組・初回限定特典はホログラムジャケット
特報・劇場予告集、TVスポット、プロモーション映像を収録。

 

f:id:moke3:20200904111946j:plain

どろろオリジナル・サウンドトラック』 2007年1月24日発売
トイズファクトリー

 

f:id:moke3:20200718111316j:plain

どろろ -完全図絵-」2007年1月13日発行 ( 株 )メディアファクトリー
 映画の公式ガイドブック、登場人物解説、インタビュー記事、メイキング解説、妖異魔物全図、原作『どろろ』完全解説など
 “ 原作『どろろ』完全解説 ” は、冒険王版や『どろろ』の原型と言われる『光』にも言及しており詳細、原作ファンにも楽しい内容になっています。
 インタビューで、塩田監督は「 …だからこそ僕は「どんな映画を撮りたいですか?」「と聞かれるたびに「『どろろ』」と答えていたんです。監督としても制作者としても挑戦だし、ぜひやりたい。でもムリでしょ? という意味で ( 笑 ) 」と語っています。

 

f:id:moke3:20200718131919j:plain

2006年12月7日、映画公開前に映画脚本を手掛けた “ NAKA雅MURA ” 氏によるノベライズが出版されました。

 

2007年映画公開時に「テヅカモデルノ」も発表され、多くの手塚キャラグッズが販売されました。

f:id:moke3:20200718111930j:plain
f:id:moke3:20200718112037j:plain
f:id:moke3:20200718112001j:plain
f:id:moke3:20200718112119j:plain

・『どろろ』ストラップ等ローソンで限定販売
・XYLITOL10周年記念キャンペーンの景品に採用

 

f:id:moke3:20200723154548j:plain

2007年3月30日~4月11日 
渋谷パルコ・ロゴスギャラリー
Tezuka moderno 絵本シリーズ出版記念
“ Hello Hello Hello ”絵本原画展開催
・グッズの先行販売
ロゴスギャラリー限定グッズ販売
・ワークショップぬりえ会

 

 

f:id:moke3:20200718125905j:plain
f:id:moke3:20200718125937j:plain
f:id:moke3:20200718130039j:plain

どろろ』映画化で、テレビCMはじゃんじゃん流れるわ、番宣で主演二人をほぼ毎日見るわ、雑誌・新聞はもちろん、都内のフリーマガジン・ペーパーに「全部じゃね?」と思うほど広告が掲載されるわ、 

ゲームで「時代は変わったな …」と思っていたら、足元をすくわれた感じでしたな … ( 遠い目 )

百鬼丸 ” のポクポン人形とか販売されたのも、映画化の “ いきおい ” みたいなものだったのでしょう、