『どろろ』を巡る冒険或いは私的備忘録

「どろろ」を中心に「手塚作品」の記事を掲載。カテゴリーは【書籍・舞台・表現規制・どろろのあゆみ・どろろに影響を受けた作品・「神話の法則の三幕構成」で解析する「どろろ」・ブラック・ジャック、ロボトミー抗議事件・ジャングル大帝、黒人差別抗議事件】

カテゴリー・どろろのあゆみ

どろろのあゆみ【23】 時系列まとめ

1947:手塚治虫『新宝島』でデビュー 赤本マンガが大人気になるが、同時にマンガパッシングも始まる。 1950:岡山県で「図書による青少年の保護育成に関する条例」制定 この頃より全国で「悪書追放運動」が活発に、 1954:警視庁「不良出版物」も取り締まり…

どろろのあゆみ【22】TEZUKAスポット

1990年代を経て、2000年代初頭は【 手塚治虫ワールド・エンターテイメントスクエア 】を始め、全国に8ケ所に手塚キャラクターのグッズショップがありました。また、宝塚市の手塚記念館以外に京都駅内に【 KYOTO手塚治虫ワールド 】があり、オリジナル…

どろろのあゆみ【21】手塚作品関連雑誌など 

月刊誌 「手塚治虫マガジン」 発行:KKベストセラーズ 2003年5月号から2005年4月号まで、全24号 手塚治虫作品の代表作と特集作品を毎号再編集して掲載。当時“ブラックジャック”のアニメ化を始め、活発だった手塚作品の市場展開( 手塚キャラクターショップ…

どろろのあゆみ【20】「どろろ」以外の手塚治虫リメイク作品

『どろろ』以外の手塚リメイク作品を纏めました。 『魔人王ガロン』 KKベストセラーズ全2巻 著者:永井豪 月刊「手塚治虫マガジン」で連載。 ガロンが消えて長い年月が経ち、人々がそのことを忘れかけた頃、宇宙から地球に送られた “ 謎の玉 ” を拾った高…

どろろのあゆみ【19】漫画リメイク作品まとめ

『どろろ梵』 秋田書店・ヤングチャンピオンコミックス:全四巻 道家大輔 「ヤングチャンピオン」にて2007年12号から2009年5号まで、全38話連載された。 原作で “ どろろ ” と “ 百鬼丸 ” が別かれてから5年後。 一人、妖怪を探して旅を続ける百鬼丸は、とあ…

どろろのあゆみ【18】小説作品まとめ

『小説・どろろ』 戦乱妖怪ヤング 辻真先:著 北野英明:挿絵 発行:朝日ソノラマ 1969年 ( 1978年に文庫版・2007年に映画公開に合わせて復刻出版 ) 旧・アニメ脚本を担当した辻真先先生によるノベライズ。挿絵はアニメで原画を担当した北野英明氏。旧・アニ…

どろろのあゆみ【17】2009年「どろろ」米国アイズナー賞・最優秀日本作品賞、受賞

2000年代は、2001年9月11日に発生した「アメリカ同時多発テロ」に象徴されるように、世界各地でテロが多発。政情不安定なアフリカ・中東諸国はもとより、アメリカ・西側諸国陣営で過激なイスラム原理主義陣営が主導するテロが発生、これらは「対テロ戦争」と…

どろろのあゆみ【16】『どろろ』映画記事補足

2007年『どろろ』映画公開時映画公開記念『どろろ』展開催 会場:手塚治虫記念館2006年11月23日~07年2月20日『どろろ』原画展示・関連商品展示映画の原画・資料・スチール・衣装などの展示旧アニメ『どろろ』上映 宝塚記念館近くの商店街アーケードに映画『…

どろろのあゆみ【16】2007年1月27日『どろろ』映画公開

映画版『どろろ』2007年1月27日公開 キャッチコピーは「運命をぶった斬れ」「物語が動き出す」「必死に生きて何が悪い」「アジア発、世界へ -テーマは、“ 正義 ” “ 勇気 ” そして、“ 希望 ”」「運命を超える旅へ」 製作:『どろろ』製作委員会製作プロダク…

どろろのあゆみ【15】ゲーム関連

『どろろ』のいろんなゲーム? を御紹介、 『1969年6月号「冒険王」付録・どろろゲーム』「どろろ:お守り」も付属 『手塚治虫のSF未来世界ゲーム・エポック社』 『ブラックジャック・火の鳥編』 2006年11月9日発売ニンテンドーDS 発売:SEGAジャン…

どろろのあゆみ【14】2004年9月9日:PS2版ゲーム「どろろーDORORO-」発売

2004年9月9日にSEGAからPlayStation2用ソフト『どろろ -Dororo-』発売ジャンルはアクションアドベンチャーCERO:15歳以上企画・シナリオ・設定はレッド・エンタテインメントキャラクターデザイン:沙村広明魔人・妖怪デザイン:前田真宏題字・美術設定…

どろろのあゆみ【13】1994年:池袋ミニシアター上映

1994年、池袋ACTシアターで旧虫プロ作品の上映があり、その中で幻作品として『どろろ』26話も上映。後に『どろろ』のみ一挙上映されました。「ぴあ」などの媒体で宣伝されたこともあり、第一回の上映には劇場前が長蛇の列となりました。館内は通路も立錐…

どろろのあゆみ【12】1990年代~

1991年のバブル崩壊後、株価・不動産価格の下落により金融機関に多額の不良債権が発生。これにより、過剰な企業融資の見直しが行われ、金融機関の「貸し渋り・貸し剥がし」と言われる行為が横行、企業の大量倒産を招く結果となりました。 この負のスパイラル…

どろろのあゆみ【11】どろろとサイバーパンク

1970年代には米ソ・デタントにより一時東西冷戦の緩和が見られましたが、80年代に入り、ソ連のアフガニスタン侵攻により状況は激化。しかし東欧諸国の革命により社会主義勢力の衰退と言う形で冷戦は終結に向かい、1991年ソ連の崩壊により幕を閉じます。 しか…

どろろのあゆみ【10】表現規制とオタクバッシング

1988 ~ 89年に起きた「連続幼女誘拐殺人事件」犯人逮捕により、一連の報道は過熱。マスコミは特異な事件として連日報道、マンガ・アニメなどのメディアが犯罪の誘因と視聴者に印象を与えかねないフレームアップも有って、その影響は今も続いています。 この…

どろろのあゆみ【9】

1970年代、第二次世界大戦後の経済成長がオイルショックにより終わりを迎え、米ソ冷戦も緊張緩和を見せる中、1973年には泥沼のベトナム戦争が終了します。これによりアメリカの軍事力の限界が露呈、ニクソンショックによりドル支配にも陰りが見えはじめます…

どろろのあゆみ【8】虫プロ斗争ニュースから

『どろろ』制作・放映時期の前後は「虫プロダクション」と言う制作会社の疾風怒濤の時代で、この倒産前後の騒動も旧アニメ『どろろ』が幻作品となった一因なのでは?と思いましたので、考察も交えて記事を纏めてみました。 【 虫プロ斗争ニュース・抜粋 】 …

どろろのあゆみ【7】

昭和50~60年代にかけて『どろろ』に関して流布されている風説が幾つかあり、当時から気になっていたので、私見になりますが、推理・考察も含めてご紹介したいと思います。 「 “ どろろ ” は不人気の為、打ち切られた」「封印作品であった」原作マンガ・旧ア…

どろろのあゆみ【6】どろろ関連商品など

『どろろ』旧アニメ放送時の昭和44年 ( 1969 ) から関連商品のマーケット展開は活発だった様子で、多くのキャラクター商品が販売されています。 ビニールパス・自由帳・スケッチブック 画像の商品以外にも 通園バック ・お弁当箱・水筒など園児を対象とした…

どろろのあゆみ【5】アニメ誌に掲載された『どろろ』

【 ランデヴー・月刊OUT増刊 昭和53年 ( 1978 ) 3月7日 】「甦る!虫プロ名画、どろろ」として『どろろ』が特集されています。・ランデヴーメモリアルグラフィとしてカラーページあり、・どろろ思い出の名作劇場「最後の妖怪」( このコーナーの前書きに《…

どろろのあゆみ【4】FC活動など

虫プロダクション設立後、毎週30分の「テレビマンガ」がゴールデンタイムに放映されるという世界でも類を見ない状況が日本に生まれました。 そして「漫画・テレビマンガ」を身近に感じながら成長した戦後漫画世代を意識して1960年代後半から始まった、ハイテ…

どろろのあゆみ【3】 虫プロの終焉

虫プロの終焉と、その周辺 1961年 ( 昭和36年 ) 6月に手塚治虫プロダクション動画部としてスタッフ四人で始動。その後1962年 ( 昭和37年 ) 1月に「株式会社虫プロダクション」として正式に発足。最盛期には500名以上のスタッフを擁し、日本で最初のテレビア…

どろろのあゆみ番外編 TVガイド・子供番組大特集 昭和四十四年五月二・九日合併号

『どろろ』放映時のTVガイド ( 当時のお値段一冊80円 ) に、【 幼児むけ番組がガタ減りした理由、スポンサーに嫌われる子供のファン 】 という記事が掲載されており、興味深かったので内容を纏めてみます。 昭和44年5月2・9日合併号の記事によると、 子供…

どろろのあゆみ【2】「どろろ」旧アニメ、1969年4月~放映開始

『どろろ』旧アニメは、出崎哲氏が杉井ギザブロー監督に「面白い、これアニメになりませんか」と原作を勧めた事がきっかけで、虫プロに企画が提出され、1967年に企画スタートとなりました。 その後はパイロットフィルム完成が1968年1月29日、テレビシリーズ…

どろろのあゆみ【1】補足・当時の記事から

昭和43年8月13日の東京中日新聞に掲載された記事、『どろろ』が「子供向け、陽気な妖怪もの」として紹介されています。 記事内では、絵の左が主人公と紹介されており、 虫プロの企画書でも、・誰もの興味をひく「奇怪な物語」「手」もなく「足」もなく「耳」…

どろろのあゆみ【1】

『どろろ』の歴史?を、私の手元にある資料や文献から考察も交えて紐解いてようと思います。 ー 定点観測も観測者と観測地点が変化すれば記録は変化する。私という観測者からの報告を楽しんで頂ければ幸いです。 週刊少年サンデーで『どろろ』が執筆開始とな…