「どろろ」を巡る冒険或いは私的備忘録

「どろろ」の記事を掲載しています。ほぼ、それだけなので、「たわし」しかない雑貨屋状態です。挙句の果てに新アニメの記事は殆どありません。「たわし」といっても亀の子しか置いてないんです、すみません状態です。書いてる本人も如何なものか… と思ってるので、どうか御容赦下さい。

悪書追放運動 その10 【雑感まとめ】

「悪書追放運動」とは? Wikipedia、「悪書追放運動」より、 「悪書追放運動(あくしょついほううんどう)とは、ある書籍や文書を「悪書」と定義し排除しようとする運動である。 権力者による言論弾圧の一環として行われる他、言論と表現の自由が保障されて…

悪書追放運動 その9

【悪書追放運動:時系列まとめ】 戦後の民主化によって、戦前・戦中の出版法や治安維持法などの言論統制による図書検閲は無くなり、大衆娯楽に自由化の波が押し寄せた。当時、娯楽に飢えていた人々は、雑誌・映画などの大衆娯楽を歓迎したが、同時に当時流行…

悪書追放運動 その8

【手塚治虫、斯く闘えり】 『ガラスの地球を救え』 著:手塚治虫 発行:光文社 「思えば、『鉄腕アトム』を描きはじめた昭和二十六、七年ころは、ものすごい批判が教育者や父母から集中し、「日本に高速列車や高速道路なんて造れるはずがない」とか、「ロボ…

【手塚治虫キャラクター図鑑・5】

『手塚治虫キャラクター図鑑・5』 1998年12月1日発行 発行:朝日新聞社 監修:手塚プロダクション 構成・文:池田啓晶 「三つ目がとおる」とおかしな奴ら編 「陽だまりの樹」と歴史の群像編 手塚ワールドがひと目で分かる!!写楽保介、和登千代子、オクチン…

悪書追放運動 その7 【やけっぱちのマリア】

【手塚治虫漫画全集『やけっぱちのマリア』 手塚治虫著 講談社 あとがき】 「やけっぱちのマリア」は、まあ、いわばキワモノです。ちょうど、この当時子どもの性教育の見なおしが叫ばれ、「アポロの歌」の解説でもかきましたが、少年誌に大胆な性描写やはだ…

「血だるま剣法・平田弘史」

「血だるま剣法」 1962年7月に「日の丸文庫」の貸本誌『魔像』別冊として刊行された。 部落解放同盟の厳しい抗議を受けて回収・絶版となった伝説の作品。 【あらすじ】 主人公の猪子玄之助には、「領内に部落があっては恥をかく」という藩主の命で家族を惨殺…

悪書追放運動 その6 【貸本劇画の衰退】

戦後、雨後の筍の様に増えた「貸本屋」の全盛期は1955年から58・9年頃の3~4年間と言われている。まだ高度成長期の入り口で、戦後の傷跡があちこちに残っていた時代で、当然、公共図書館も整備されておらず、テレビも普及していなかった。戦後の赤本マンガ…

悪書追放運動 その5 【アシュラ】

1970年には、『アシュラ』『キッカイくん』『切り裂く!』『ハレンチ学園』『やけっぱちのマリア』『アポロの歌』など多くのマンガが全国各地で有害指定され、青少年への販売が禁止された。特に性描写では前回紹介した『ハレンチ学園』が、残酷描写では『ア…

悪書追放運動 その4 【ハレンチ学園】

前回までのまとめで1950年前後から1960年代後半までの「悪書追放運動」の動きを追ってきたが、ここで少し戻って1950年代末「少年漫画誌」の振り返りから始めたい。 1950年代後半は「週刊誌」の創刊が続いた時期で、1956年『週刊新潮』が日本初の週刊誌として…

悪書追放運動 その3

【東京都青少年条例制定をめぐる動き(1960年代~)】 1963年10月、台東区中学校PTA連合会から東京都議会に、「少年の目に映る、誇張された性的、犯罪的社会悪を助長するような映画、その他娯楽施設の悪どい宣伝文、看板等が公然と社会の中に、ほうり出されて…

悪書追放運動 その2

『悪書追放運動』は表現規制に向けて民間団体が主導した様に見える運動であるが、常に政府も動いており、総理府の付属機関『中央青少年問題協議会(中青協)』は1954年7月に『青少年に有害な出版物映画対策専門委員会』を設置している。これには、朝日新聞社論…

悪書追放運動 その1

戦前・戦中は出版法・治安維持法などの言論統制・図書検閲があり、出版・表現は厳しく規制されていた。 その後、占領下の1945年9月から1949年10月までGHQによって出版物が検閲され、軍国主義的なもの、封建主義思想の賛美などの内容が対象となり、児童絵本・…

景光という父

『どろろ』 秋田文庫2巻 : 解説 -錨模様、勝手にメッセージ- 出崎統 醍醐景光の存在のたしかさはどうだ。彼は自分が何も持っていない事をしっかりと自覚している。だけど欲望には逆らえない。その確かな「弱さ」は真実の様に僕には思えたのだ。 ―彼はこの…

寿海という男

この「どろろ」という物語は“寿海”と言う一人の男の慈悲から始まった物語。 そんな切り口で一節、 百鬼丸の養い親である“寿海”は、 棄てられ水に流された赤子を拾う ⇓ 養育する ⇓ 信じて? 出発を見送る(刀を贈る) 作中で上記の行動を取るのですが、養父の行…

「手塚治虫WORLD-少年マンガ編」 著者:手塚治虫 監修・文:みなもと太郎

「手塚治虫WORLD-少年マンガ編、これがホントの最終回だ!」 発行:ゴマブックス株式会社 著者:手塚治虫 監修・文:みなもと太郎 手塚治虫の代表作『鉄腕アトム』『ブラック・ジャック』『リボンの騎士』『どろろ』『ジャングル大帝』『W3』の6作品の雑誌…

「昆虫つれづれ草」

「昆虫つれづれ草」 著:手塚治虫 小学館・Lapita books ー手塚治虫、虫の博物誌ー 「昆虫つれづれ草」は手塚先生が旧制中学時代、御学友と一緒に昆虫についての小論をまとめて発行していた小冊子で、装丁・挿画、構成の巧みさとこだわりも凄いのですが、先生…

「手塚治虫昆虫図鑑」 

「手塚治虫昆虫図鑑」 手塚治虫・小林準治(解説・構成):著 講談社+α文庫 「漫画の神様手塚治虫は稀代の昆虫好きだった。その膨大な作品群の中から、あるときはリアルに、またあるときは漫画的に昆虫が登場してくる140作品をセレクト。昆虫を通して、手塚ワ…

表現規制と都市伝説

※怪談注意 冬の北海道で踏切事故が発生、はねられた女子高生は上半身と下半身が完全に切断されたが、寒さの為に切断部分の血管が収縮し数分間生存していた。上半身は下半身を探して息絶えたという。この話を聞いた人のところには三日以内に下半身の無い女性…

『AKIRA』と『it』の相似

2019年、奇妙な同時多発を見て「長々オタクをやっていると面白いことがあるものだ」と感じたので、雑感を纏めてみます。 まあ、単なる偶然で、その様に感じたのは私くらいでしょう。理屈と膏薬はどこにでもくっつくものですし、しばし由無しごとにお付き合い…

とんぼの本『手塚治虫:原画の秘密』

とんぼの本 『手塚治虫 原画の秘密』 発行:新潮社 著:手塚プロダクション・森晴路 『切り貼り、描き直し、ボツ…「漫画の神様」の苦闘の痕跡は、すべて「原画」に刻まれていた。門外不出の原画・下描き類がいま語る、手塚漫画の秘密とは?』 原画・カラー原…

『金目童子』 著:高橋葉介

『金目童子』 著:高橋葉介 朝日ソノラマ:ハロウィンコミックス 【あらすじ】 出産時に母と死別した「金目童子」は孤児として拾われる。しかし、彼を拾った養父母は人でなしで虐待されて育つことになる。養父母の折檻で両目を失い彷徨っていた童子は、山中…

街場の現代思想 -手塚治虫の天才性ー

街場の現代思想 2004年7月6日 発行:NTT出版 著:内田樹 「あとがき」、あるいは「生きることの愉しさ」について P227 -より 『手塚治虫が天才であることに異論のある人はいない。だが、彼が「どのように」天才であるかについてはさまざまな解釈があって…

どろろ草紙縁起絵巻

どろろ草紙縁起絵巻 1996年6月22日発刊 フィルムアート社 武村知子:著 帯に、 「手塚治虫原作、幻の怪奇TVアニメ『どろろ』―27年後のいま、その封印をついにこじ開ける ホゲタラ・メランコリック・メタフィクション―480枚」 と、有る様に、 独特の文体で語…

どろろのあゆみ【23】 時系列まとめ

1947:手塚治虫『新宝島』でデビュー 赤本マンガが大人気になるが、同時にマンガパッシングも始まる。 1950:岡山県で「図書による青少年の保護育成に関する条例」制定 この頃より全国で「悪書追放運動」が活発に、 1954:警視庁「不良出版物」も取り締まり…

どろろのあゆみ【22】TEZUKAスポット

1990年代を経て、2000年代初頭は「手塚治虫ワールド・エンターテイメントスクエア」を始め、全国に8ケ所に手塚キャラクターのグッズショップがありました。また、宝塚市の手塚記念館以外に京都駅内に「KYOTO手塚治虫ワールド」があり、オリジナルアニ…

どろろのあゆみ【21】手塚作品関連雑誌など 

月刊誌 「手塚治虫マガジン」 発行:KKベストセラーズ 2003年5月号から2005年4月号まで、全24号 手塚治虫作品の代表作と特集作品を毎号再編集して掲載。当時“ブラックジャック”のアニメ化を始め、活発だった手塚作品の市場展開(手塚キャラクターショップ…

どろろのあゆみ【20】「どろろ」以外の手塚治虫リメイク作品

「どろろ」以外の手塚リメイク作品を纏めました。 「魔人王ガロン」 KKベストセラーズ全2巻 著者:永井豪 月刊「手塚治虫マガジン」で連載。 ガロンが消えて長い年月が経ち、人々がそのことを忘れかけた頃、宇宙から地球に送られた“謎の玉”を拾った高校生…

どろろのあゆみ【19】漫画リメイク作品まとめ

「どろろ梵」 秋田書店・ヤングチャンピオンコミックス:全四巻 道家大輔 「ヤングチャンピオン」にて2007年12号から2009年5号まで、全38話連載された。 原作で“どろろ”と“百鬼丸”が別かれてから5年後。 一人、妖怪を探して旅を続ける百鬼丸は、とある橋の上…

どろろのあゆみ【18】小説作品まとめ

『小説・どろろ』 戦乱妖怪ヤング 辻真先:著 北野英明:挿絵 発行:朝日ソノラマ1969年(1978年に文庫版・2007年に映画公開に合わせて復刻出版) 旧・アニメ脚本を担当した辻真先先生によるノベライズ、挿絵はアニメで原画を担当した北野英明氏。旧・アニメ放…

どろろのあゆみ【17】2009年「どろろ」米国アイズナー賞・最優秀日本作品賞、受賞

2000年代は、2001年9月11日に発生した「アメリカ同時多発テロ」に象徴されるように、世界各地でテロが多発。政情不安定なアフリカ・中東諸国はもとより、アメリカ・西側諸国陣営で過激なイスラム原理主義陣営が主導するテロが発生、これらは「対テロ戦争」と…