『どろろ』を巡る冒険或いは私的備忘録

「どろろ」を中心に「手塚作品」の記事を掲載。カテゴリーは【書籍・舞台・表現規制・どろろのあゆみ・どろろに影響を受けた作品・「神話の法則の三幕構成」で解析する「どろろ」・ブラック・ジャック、ロボトミー抗議事件・ジャングル大帝、黒人差別抗議事件】

どろろのあゆみ【5】アニメ誌に掲載された『どろろ』

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 【 ランデヴー・月刊OUT増刊 昭和53年 ( 1978 ) 3月7日 】
「甦る!虫プロ名画、どろろ」として『どろろ』が特集されています。
・ランデヴーメモリアルグラフィとしてカラーページあり、
どろろ思い出の名作劇場「最後の妖怪」
( このコーナーの前書きに《 そしてまた、百鬼丸が、実の父さえも倒して得た四十八番目の身体の一部とは何だったのでしょう、それが悔恨という名の「心」だったとしたら、あまりにも悲しすぎ … 》とあります。ネットで散見される「旧アニメで妖怪となった父を百鬼丸が倒して帰ってきた部位はー」という説の出典はこの辺りでしょうか )
・ビューティーキャラコーナーで《 TVアニメの中では、彼のような完全な悪役でもなく悲劇の人でもないキャラクターは珍しいためか、非常に人間くささを感じます 》と、多宝丸が紹介されています。
( また、このコーナーで《 唯、『どろろ』は白黒作品で、おまけに差別用語が多いですからTVでの再放送は望み薄でしょう。10人が1本映画を見るぐらいの値段で、虫プロからフィルムを借りられますから、学園祭などを利用して上映するのも一案でしょう 》とお勧めされています。学園祭やファン有志の小規模上映会は私が思っていた以上に開催されていたのかもしれません。当時、虫プロから貸し出しのお値段は1本1万円くらいでした )
 今の様にアマプラもNetflixも無い時代でしたからファンは情報と映像に飢えていた時代で、再放送されない作品を観るには上映会が頼みの綱でした。
・最後に【 すとおりぃぼっくす 】というコーナーで『どろろ』のパロディが1P掲載

 

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【 週刊少年キング増刊・手塚治虫アニメ選集1巻どろろ 昭和53年 ( 1978 ) 4月30日 】
・カラー・アニメセル オリジナルピンナップ
・『どろろパイロットフィルム完全収録 どろろカラースペシャル ( ばんもんの巻 )
・設定資料集・主題歌 ストーリー紹介・どろろ全作品リスト
どろろヒット・リクエス
・妖怪大全集・原画とアニメの比較
・対談「鈴木良武・松島みのり」 寄稿「藤井千賀雄・槻間八郎・冨田勲
・アニメーショングラフティ「最後の妖怪」 手塚治虫イラスト特集

 

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ペーパームーンコミックス・ばんもんの巻 昭和55年 ( 1980 ) 3月5日 】
 旧アニメ『どろろ』で人気の高かった「ばんもんの巻」のフィルムコミック。
 劇作家・岸田理生氏の解説【「どろろ」ばんもんの巻について】で《 生誕以前にすでに恐るべき業を背負わされた百鬼丸が「一匹、妖怪を倒すごとに一ケ所、身体が戻ってくること」をつげられて妖怪退治のために諸国を遍歴する姿は、説教節「しんとく丸」の中で、おのれの罪業を消滅する旅に出る業病患者しんとくの姿と重複する 》とあり、百鬼丸のモデルは「しんとく丸」と言う説はこれが出典でしょうか、他は「蛭子神」「少彦名神」等がモデルではないかとの説がネット上で散見されます。
 原作の百鬼丸の着物の柄は連載開始時と後半では形状が変わってきているのですが、初期の柄は、傘をかぶった人が船に乗っている様子にも見えるので、( 少彦名神はアメノカガミノフネで流れ着く、医薬・国造・酒造りの神 ) 少彦名神説は文様のイメージから想起された部分もあるのかな、と思ったり、この話題も興味は尽きないですね。
 少彦名神は一説によると蛾の翅で出来た服を身に着けていいらっしゃるのですが、モデルになったと言われている蛾の翅の模様は、蛇の目蝶のような円模様でした。

 派手で「百鬼丸」と言うより「カムイ」の着物の柄ような …

 

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1970後半~1980年代アニメージュ等、アニメ誌の特集での『どろろ
クールキャラや懐かしの名作などの特集で掲載されていました。
( 大体、カムイか鬼太郎の横 )
これは【 ニヒルなキャラ特集 】で紹介されている「百鬼丸

キャラクターカレンダーではカムイの横にいることが多かったような気が …

 

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こちらは【 TVアニメ原作マンガ大研究 】

 

 

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 【 マンガ少年臨時増刊・TVアニメの世界 昭和52年 ( 1977 ) 】
《 妖怪ブームのヒーローたち 》として『どろろ』が紹介されています。

 

 

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 【 月刊OUT・7月号 虫プロ特集 昭和54年 ( 1979 )  】
 虫プロ特集ならばリボンの騎士あしたのジョー辺りが表紙に来そうな気がするのですが「百鬼丸」が表紙。

 

 アニメ誌で定期的に名作として取り上げられていたので、1970年代以降も『どろろ』の記事を目にする機会は結構ありました。

 次回は当時の関連商品など纏めてみたいと思います。