『どろろ』を巡る冒険或いは私的備忘録

「どろろ」を中心に「手塚作品」の記事を掲載。カテゴリーは【書籍・舞台・表現規制・どろろのあゆみ・どろろに影響を受けた作品・「神話の法則の三幕構成」で解析する「どろろ」・ブラック・ジャック、ロボトミー抗議事件・ジャングル大帝、黒人差別抗議事件】

2020-01-01から1年間の記事一覧

どろろのあゆみ【2】「どろろ」旧アニメ、1969年4月~放映開始

『どろろ』旧アニメは、出崎哲氏が杉井ギザブロー監督に「面白い、これアニメになりませんか」と原作を勧めた事がきっかけで、虫プロに企画が提出され、1967年に企画スタートとなりました。 その後はパイロットフィルム完成が1968年1月29日、テレビシリーズ…

どろろのあゆみ【1】補足・当時の記事から

昭和43年8月13日の東京中日新聞に掲載された記事、『どろろ』が「子供向け、陽気な妖怪もの」として紹介されています。 記事内では、絵の左が主人公と紹介されており、 虫プロの企画書でも、・誰もの興味をひく「奇怪な物語」「手」もなく「足」もなく「耳」…

どろろのあゆみ【1】

『どろろ』の歴史?を、私の手元にある資料や文献から考察も交えて紐解いてようと思います。 ー 定点観測も観測者と観測地点が変化すれば記録は変化する。私という観測者からの報告を楽しんで頂ければ幸いです。 週刊少年サンデーで『どろろ』が執筆開始とな…

『どろろ』に影響を受けた作品 第一回『NIGHT HEAD』

『どろろ』に影響を受けた作品を紹介していきたいと思います。 第一回は、 『NIGHT HEAD』 「ナイト・ヘッド」 -それは、人間が使用していないとされている脳の容量である70パーセントの部分を指す言葉である。人間が持つ不思議な「力」は、この70パーセン…

劇団☆新感線「どろろ」 から、とりとめもなく… 

前回の「劇団☆新感線」からリンクして「中島かずき」先生つながりで、「天元突破グレンラガン」です。 この作品の元ネタは山田正紀先生の「宝石泥棒」「螺旋の月」です。 未読で興味のある方にはオススメです。 好みが分かれる作品だと思いますが、ヒロイッ…

劇団☆新感線『どろろ』

劇団☆新感線の公演で『どろろ』を見たことがあります。 と言っても演目が『どろろ』だったワケではなく、 新感線の「おまけ」で拝見したのです。 たしか…… 公演は1993年の『てるみ&うぐいす』で、 上演後の「おまけ」として、古田新太さん ( 当時は細くて恰…

人形劇団「ひとみ座」70周年記念公演『どろろ』

人形劇団「ひとみ座」70周年記念公演『どろろ』 真っ直ぐな熱い少年漫画を感じさせる舞台。 1948年発足、代表作は『ひょっこりひょうたん島』 子供を対象にした作品やシェイクスピア作品など幅広い作品を上演し、伝統人形の研究と継承を活動の柱としている老…

劇団扉座 新浄瑠璃『百鬼丸』

劇団扉座 新浄瑠璃『百鬼丸』 手塚治虫原作『どろろ』のストーリーを「百鬼丸」のストーリーライン一つにまとめた本作は「呪われた子供の再生」という主題に焦点を当てて翻案されており、毒親育ちの子供ならこの舞台はいろいろと腑に落ちる点も多いのではな…

SF・Japan冬季号 「手塚治虫スペシャル」

徳間書店 2002年 SF・Japan冬季号 「手塚治虫スペシャル」 「神話の法則」の三幕構成で解析する「どろろ」を書くために、本棚や段ボール箱をごそごそひっくり返しておりましたら、SF・Japan「手塚治虫スペシャル」が出てまいりました。 PS2ゲーム「どろろ」…

「神話の法則の三幕構成」で解析する『どろろ』 あとがき

『どろろ』という物語は不思議な物語です、50年の時を経ても、多くの人を魅了して止まない。 《 妖怪に奪われた生身の体を一つ一つ取り戻す、という「どろろ」のストーリーの骨子を流用してファミコン漫画のシナリオを書いたら単行本が250万部も売れた。( 中…

「神話の法則の三幕構成」で解析する『どろろ』 其の三「どろろ」蛇足編

大塚英志氏が名付けた “ アトムの命題 ” という呪いがあります。 成長しない体を持つ「アトム」と言うキャラクターが持つ「呪縛」です。( アトムは天馬博士の亡くなった息子の代わりに作られたロボットなのですが、アトムが成長しないと怒った博士に疎まれ、…

「神話の法則の三幕構成」で解析する『どろろ』 其の二 「どろろ」編

其の二 「どろろ」編 ① 日常の世界 もう一人の主人公「どろろ」は野盗「火袋」、その妻「お自夜」の子として、すくすく育ちます。しかし、彼女がまだ赤ん坊の時に、父の部下イタチの裏切りにより、火袋は野盗の頭の座を追われ、親子で放浪することになります…

「神話の法則の三幕構成」で解析する『どろろ』 其の一「百鬼丸」編

脚本術で有名な「神話の法則の三幕構成」を使って『どろろ』を解析してみようと思います。『どろろ』には手塚先生の正典 ( と、書くと何やらシャーロキアンぽいですね ) と、その後、多く書かれ作られた外典が存在します。その正典もサンデー版・冒険王版が…